ガンバ大阪の2021シーズンを終えて【前編】2020年、なぜ2位になれたのか改めて振り返る

ガンバ大阪

管理人の しげ です!

応援しているガンバ大阪は2021年も無冠のシーズンを送ることになりました。

今年はコロナの活動休止で本当に大変なシーズンでした。自分自身もパナスタができた2016年以降、初めてホームゲームの現地観戦無しになりました(アウェイ2試合のみ)

苦しいシーズンでなおかつオフシーズン中ということで、なかなか詳しく書けるネタがありません笑
(移籍情報の速報はスポーツ紙のサイトを見たほうがすぐわかりますし…)

少し迷いましたが、まずは宮本監督就任後~2021シーズンまでの大まかな振り返りを、前編後編に分けて書いていきます。

前編は、2021シーズンの振り返りをする前に

  • なぜ2020シーズン、2位という結果を出せたのか?
  • 2021シーズンを迎えるにあたり何が課題だったのか?

という点を改めて整理するために、宮本ガンバがどのように戦ってきたか、ざっくりと振り返ります。

これ触れないのか…という点も多少あるかと思いますがあしからず!

宮本監督時代のフォーメーションと戦い方

2018年~2021年5月途中まで指揮した宮本監督は、通年でフォーメーションを固定することなく戦ってきました。

実際には就任当初の2018年が4-4-2、2019年のホームダービーから3-1-4-2を採用。以降はこの2つを併用していきます。

絶不調の時期を経験→フォーメーションを変更→立て直す

試合のデータを一通り見返していくと、この流れが長くても1年以内に数回起きていました。
言い換えると、長くても1年以内には他クラブに研究されてしまい手詰まりになっていたともいえます。
また時折相手の特徴を消すべく4-3-3(4-1-4-1にも近い)や5-4-1で臨んだ試合も。

相手に合わせて変更することでうまくハマった試合もある反面、配置の利点を生かした再現性の高い理詰めの攻撃パターンをなかなか構築できず、個人技に依存する割合が多かったように思います。

2018年の後半戦、ショートカウンターを狙い連勝を重ねた時期はファンウィジョ選手の貢献が大きかったです。打てば決まる、アジア最高のストライカーに覚醒しました(実際にこの年はベストイレブンと、韓国で一番活躍した選手に贈られる「今年の選手賞」を受賞)
そのファンウィジョ選手ですら2019年の前半戦は研究され、チームも苦戦を強いられることに。ウィジョ選手がいるうちにタイトルを獲らねば!という願いは海外移籍もあり叶いませんでした…。

一方の守備は長谷川監督時代から続くブロックを敷いて、できるだけコースを限定→東口選手の個の力に懸ける、といった形。

ハイラインを敷かない戦術のため、攻撃がうまくいかない試合は後ろに下がりっぱなしでサンドバック状態になることも。この現象も長谷川監督時代と同様に続くことになります。

精神的支柱の遠藤保仁が移籍した2020年、それでも2位になった理由

軸となるフォーメーション・組織的な戦い方が確立できず好不調の波が激しい中、2020年10月、チームの精神的支柱だった遠藤選手が移籍。

「組み立てに迷ったらヤットさんにまずは預ける」

これがチームとしての共通認識と思うくらい、ガンバの攻撃を長い間支えてきました。ガンバ=パスサッカー のイメージを作れたのも間違いなくこの選手の存在が大きいです。
移籍直前も途中出場から流れを変えるパスを出して勝利に貢献していただけに、サポーターは勿論選手たちも衝撃を受けたはず。

この状況の中でも、ガンバは2020シーズンの後半戦で結果を出し、最終的に2位でシーズンを終えました。
例年後半戦にコンディションが上がっていく選手がガンバには多い印象ですが、結果を出せた理由はコンディション以外にもこの3点があると考えます。

  • パトリックへ放り込んでからの攻撃(通称パトポン)
  • 5つの交代枠と強力なFW陣
  • 東口の神セーブを起点にした驚異的な勝負強さ

パトリックへ放り込んでからの攻撃(通称パトポン)

2019年夏にガンバへ復帰したパトリック選手。2020シーズンは序盤はベンチスタートが続きましたが、守備でも奔走するようになった後半戦にスタメンを奪取。攻守でチームに欠かせない存在になります。

何といっても空中戦の強さは30代を迎えても変わらずチート級。迷ったらパトリック選手へ放り込めば何とかしてくれるくらいの信頼感です。さらに守備でも貢献するとなると、起用しない理由がありません。

遠藤選手がいなくなり後ろで落ち着いてポゼッションしにくくなった分、パトリック選手めがけてのロングボールの頻度が増していきました。ガンバサポーターはこれを「パトポン」と呼んでいます。

この結果2020シーズン通してのポゼッション率は例年に比べて低下し、48.1%。J1復帰後の2014シーズン以降で初めて50%未満&ポゼッション率の順位がボトムハーフへ低下 という結果になりました。

5つの交代枠と強力なFW陣

2020シーズンのガンバは、パトリック、宇佐美貴史、渡邉千真、アデミウソン のFW陣でJ1を戦いました。他クラブなら全員主力級のFW4人が揃い、かつコロナ禍で交代5枠を使えたことでこれが大きな武器に。

コロナ禍で連戦が続く中、増えた交代枠をうまく活用。特長も全員違うため相手のDFは苦労したはずです。この4人が満遍なくゴールを決めて勝ち点を積んでいきました。

特に渡邉千真選手は3節の名古屋戦、4節の清水戦、17節の札幌戦といずれも途中出場から値千金のゴール。ここに挙げた3試合だけで勝ち点7をもたらす活躍でした。

東口の神セーブを起点にした驚異的な勝負強さ

先程挙げたFW陣が貢献したとはいえ、数字上は

4人で合計27ゴール、2桁ゴールした選手は無し

と突出している数字という訳ではありません。チーム全体のゴール期待値(略称:xG、あるシュートチャンスが得点に結びつく確率)もリーグ7位と、中位の数字です。
※ゴール期待値などの数字はこちらからチェックできます

それでも2位になるまで勝利を重ねたのは、1点差ゲームをことごとくものにする驚異的な勝負強さがあったから!
1点差勝利は16試合、反対に1点差の敗戦はわずか3試合。いかに効率よく勝ち点を獲得していったかがわかります。

この結果は東口選手の神憑り的なビッグセーブがもたらしたといっても過言ではありません。

敵チームからすれば決まると思ったシュートが決まらず、精神的にプレッシャーをかけられました。相手は気落ちする一方、ガンバの選手は1点リードすれば大丈夫というメンタリティに。先行逃げ切りの勝ちパターンを作りました。

個人的には10月3日のホーム鹿島戦が特に圧巻でした。シュート26本打たれて無失点という今見ても信じられない結果です!

前編まとめ:2位になった強み≒課題ともいえる状況で2021シーズンへ

2020シーズンはコロナ禍でイレギュラーが続く中での2位。

上記で挙げた3つの理由(強み)は、2021シーズンへの課題ともいえました。

  • パトリックへ放り込んでからの攻撃(通称パトポン)
    →パトリック不在の試合で戦えるか?
  • 5つの交代枠と強力なFW陣
    →退団した渡邉千真、アデミウソンの穴をどう埋めるか?
  • 東口の神セーブを起点にした驚異的な勝負強さ
    →2021年も再現できるのか?(得点力は中位レベルの状態)

 

 

この課題をどうクリアし、J1とACLを戦うかに注目していました…が、それどころではない波乱の2021シーズンを迎えることになります。

 

後編はまた後日!

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