こんばんは。管理人の しげ です。
今更ながらガンバの2021シーズンの振り返りです。
前回は前編として「2020シーズンで2位になった要因」を挙げました。
※前編は下記より
ガンバ大阪の2021シーズンを終えて【前編】2020年、なぜ2位になれたのか改めて振り返る
結論からいうと、どれも昨年から見劣りしてしまった、夏場までそれどころではなかった…という結果です。
- パトリックへ放り込んでからの攻撃(通称パトポン)
→パトリック不在の試合で戦えるか?
→レアンドロペレイラ、一美は別のタイプ。パトリックへの依存度がさらに高まる結果に… - 5つの交代枠と強力なFW陣
→退団した渡邉千真、アデミウソンの穴をどう埋めるか?
→FW陣補強も、結果が出ず。パトリックが孤軍奮闘… - 東口の神セーブを起点にした驚異的な勝負強さ
→2021年も再現できるのか?(得点力は中位レベルの状態)
→今年も何試合か神セーブで勝ち点を拾ったが、得点力低下で完敗の試合が増加
そんな中、はじめは暫定監督という形で指揮をとった松波監督と、過去にないスケジュールを戦った選手たちが無事残留を決めてくれました。
残留に至ったポイントは3つあったと考えています。
2021シーズン全体の振り返りも兼ねてまとめていきます。
その前に:いきなり窮地に立たされたシーズン序盤
今年のキャンプから新たに取り組んだ4-3-3の布陣は、宮本監督が攻撃の改善を図ってのものだったと思います。
しかし開幕戦後のコロナ感染による活動休止が原因で、4-3-3はゼロックス杯、リーグ開幕、大阪ダービー(試合間隔が1週間以上あり)の3試合しか使用できず。
連戦中は特に守備面を考慮してか昨年の4-4-2に戻して戦わざるを得ず、厳しいコンディションのまま連戦をこなすことに。
昨年はパトポン戦術と強力なFW陣の力で得点を取りましたが、全員コンディションが上がらない上に選手間の連携もまだ乏しい時期。
結果として深刻な得点力不足に陥ってしまいました。
一美選手がサイドに回ったりと、ポジションによっては頭数も既に足りていないような状態でした。
試合を重ねても改善する兆しがなく、5月13日、1勝4分5敗、3得点9失点という成績で宮本監督から松波監督へバトンが渡されます。
4-3-3を貫いて戦う世界線も見てみたかったですが、失点を重ねてもっと悪い成績で監督交代をしていたかもしれません…。1試合でも4-3-3で勝ててれば風向きは多少変わっていたはず。
残留のポイント①:松波監督が持っていた戦術3-4-2-1で立て直し
松波監督就任後も2試合連続で敗戦。特に浦和戦は前に走り込む意識が強くなった代わりに、簡単に裏抜けされての失点が目立ちました。
多くのサポーターが2012年の再来を覚悟したであろうタイミングで迎えた徳島戦、松波監督が鳥取で指揮した頃にも採用していた3バックへ変更。
これがシーズン序盤の大きなポイントでした!中央を固めて不用意な失点を防ぐ形に出ます。
その結果採用直後の徳島戦、横浜FC戦と連勝し、希望を見せてACLと真夏の連戦に臨んていきます。
シーズンを通してもスタートが3-4-2-1だった試合は7勝2分5敗、16得点14失点と勝越し&得失点差はプラスと、この布陣では結果を出しました。
特にシャドーの位置で輝いていたのが矢島選手!今シーズン2ゴール1アシストでしたが、この数字以上にチームの潤滑油の役割を果たしてくれました。
ただCBが怪我人と連戦の影響で足りず、4バックに戻さざるを得ない試合が多かったのが悔やまれます。
※一方でサイドの選手が怪我人連発で全然いない時期もありましたね…
残留のポイント②:真夏の連戦のマネジメント+救世主山見
休む間もなく6月末から9月上旬まで、ACL6試合+延期分含めたJリーグの試合12連戦(さらに合間に天皇杯とルヴァンの試合が3つ)と超過酷な夏を過ごしたガンバ。
ここでは目先の勝ちに囚われすぎず、怪我人以外はほぼ総力戦でスタメンの入れ替えと交代枠を活用し乗り切っていきました。
この連戦の詳細に関してはちくわさん(@ckwisb)のnoteがとても参考になります。
出場時間の図など何度も何度も見させていただきました…!
GK以外は4試合以上連続でフル出場させない、などシステマティックに選手を替えていったようにも見えます。
連戦の序盤はこれが功を奏し福岡、大分、仙台、札幌と4試合で勝利を挙げ、残留争いから一歩抜け出します。
さらにこの時期に現れた救世主が、来季プロ契約が内定しているFWの山見選手!
3連勝→2連敗とチーム全体の疲労が隠せなくなってきた8/13の清水戦、途中出場から1人でドリブルで持ち込みスーパーゴール!!
このゴールは何年経っても語り継がれるレベルですね!!
連戦終盤のルヴァン杯でも1stレグの試合で決勝点を決め、苦しい時期のチームを大いに助けました。
連戦の終盤は疲労も戦術面も限界が見えてしまったものの、連戦中のリーグ戦は5勝1分6敗。
かつてない連戦で、戦術面は試合をしながら高めるしかないといった状況でほぼ5分の成績にしたのはとても大きかったです。
残留のポイント③:木山コーチ就任後見せた割り切りと縦に早い攻撃
夏の連戦を終えたガンバですが、試合間隔が空いた鹿島戦、仙台戦は力負け。
シュート数で大差をつけられたものの1点差勝利となった柏戦と、完勝といった試合がない状態が続きます。
この状況で9/28に、仙台など多くのクラブで監督の実績がある木山コーチが就任。
監督経験のあるコーチがシーズン途中に(監督以外で)加わるという事例はあまり記憶になく、戦術面のテコ入れが急務という危機感はやはりチーム内部でもあったと予想できます。
就任後も長い時間攻め込まれてしまう、といったところはシーズンの最後まで続いてしまいましたが、その代わり割り切って守る、奪ったら早く攻める といった決まりごとを徹底。
浦和戦で東口選手の神憑りセーブで勝ち点1を拾うと、鳥栖戦で相手のCKから見事なカウンターを決めて勝利。
W杯の日本代表対ベルギー代表のカウンターの場面が引き合いに出されるほどの見事なカウンターでした!
この試合で耐えて縦に早い攻撃、の試合運びに自信をつけ、マリノス戦、大分戦と3連勝!
山本選手が3試合で3アシストと、研ぎ澄まされたパスを配給し残留を決める活躍を見せました。
最後に:ポイントが1つでもハマらなかったら・・・
序盤から誤算だらけの波乱のシーズンで何とか残留を決めたガンバのポイントとなった点を3つ挙げました。
最終的に降格チームと勝ち点8差で残留を決めましたが、ポイントとなった要素が一つでも欠けていたら残留はかなり厳しかったと思います・・・。
ガンバの関係者は誰一人として全く余裕がなかったはず。
それでも松波監督は無事残留というミッションを果たしてくれたので、火中の栗を拾ってくれてありがとう、お疲れ様でした!!と言いたいです。
来季もオミクロン株の存在やW杯イヤー用の日程調整など、過酷な連戦がまた生まれる可能性は否定できません。
来季は一貫した戦術を固めて、試合内容も結果も今年より良くなった!と思える試合を一つでも多く見たいです。
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